ドイツへ来て初めてのMRT。



 

今日は、ドイツに住んで13年目にして初めてのMRT検査を受けてきました。

結論から言うと、私のかかったお医者さんの体制が悪くて、最悪でした。


2週間前の月曜に上唇の右側にひやっとした感じがあって、木曜日の朝に歯を磨いた時にその感じが口の中にも広がっていたのに気づいたことから始まりました。

家庭医に予約しようと思って電話したら、アシスタントの方がちょっと緊迫した雰囲気になって、その日は予約がいっぱいだけど、担当の家庭医に聞いてから折り返し電話をくれるとの事。

いつもなら翌日以降の予約日を提案してもらえるからおかしいなーと思いつつ、朝だったのでそのまま仕事に向かったのですが、向かう途中の車の中で折り返し電話があり、すぐに神経科医 Neurologe か救急外来にかかってくださいとの事。

病気には詳しくない私でも体の片側の麻痺という症状から脳梗塞/脳卒中の不安がよぎって、そのまま会社に報告をして、すぐに病院の救急外来へ行きました。


それからほとんどが待ち時間の4時間半の緊急外来滞在の結果わかったのは、麻痺の感覚があっても普通に話したりにっこり笑う表情をしたりできるので、一刻を争う病気ではないこと、でも、脳の精密なMRTを放射線医Radiologe でしてもらって、目に見える異常はないかを調べること、でした。

「予約が取れるまで1.2週はかかるかも」と、病院の最後に出てきた、ラスボス的な経験がありそうな優しそうな先生Oberarzt に言われたので、ジェノバ旅行の前の金曜日の午後に家庭からの紹介状を持って予約をしに行ったら、「空いてる時間があったら連絡しますので、電話番号教えてください。今の時点では予約ができません」と、またも緊急な感じ。

そして翌週月曜日に早速電話かかってきて、火曜日に来てくださいと言う。今週はイタリアにいるから行けませんと言ったら、じゃあ帰ってきたら紹介状を持ってまたきてください、それから空いてる時間を探しましょう、という答えで、またも緊急な感じ。


もちろん、このいつも緊急な感じに不安はあったのですが、今回いろいろなことを乗り越えて決定までこぎつけたジェノバ旅行をキャンセルしたくなかったし、何よりも私自身に生命の危機と言う感触がなかったし、病院で最後に話したラスボス先生にもいってらっしゃいと言ってもらったことだしと、ジェノバへ向かいました。

これには、出産まぢかに日帰りでの遠出が決めていて、念のため信頼できる助産婦さんに行ってもいいか聞いたら、私が大丈夫だと思えば大丈夫だと聞いて安心して遠出を決行して、その翌日の午前中にはじめての出産したという私の経験がベースになっています。


イタリアから帰ってきて、月曜日はイースターの月曜日で祝日だったので、火曜日の午後に改めて放射線医へ紹介状を持っていき、今度は水曜日に電話があって、木曜日の朝8時45分に来てくださいと言われました。


そして、今日行ってきたよ。

検索エンジンGの評価が5点中1.9と低いそこは、ラスボス先生が名前を出したとこだから行ってきたんですが、受付の人がバックオフィスの仕事もしてて大変そうだなと思った以外は、コメントにあるようなスタッフの対応の感じの悪さはありませんでした、MRTの検査室に呼ばれるまでは、、、。

名前を呼ばれて検査室の前の脱衣所に入って、金属は全て外す、ズボンのボタンもダメだから脱いで、と説明を受けた後に、私の左側のピアスがどうしても外れないことをまず1番に伝えました。だって磁気を使う検査で、金属ってどう考えてもよろしくない。

だってドアにはこんな貼り紙がばばんとあるのよ↓


まず1番に伝えたのに、「それはすごく良くない、取って下さい」と言われるばかりで、じゃあ改めて予約を取り直して、また来てくださいとは誰も言わない。外れないんですと言うしかなくて言っていると、スタッフに誘導されるままMRTの機械の部屋に連れて行かれてそこで横になりました。

そこで結婚指輪に気づいた私が、これも外さないといけないですか?と聞くと、外さないといけないと言われる。それで少し苦労して取っていると、舌打ちされる。結婚指輪は忘れてたし、普段外さないから手間取るんだってば。

そして、体がMRTの機械に電動で向かっている間に左に立っていた男性スタッフに緊急ボタンを握らされ、右に立っていた女性スタッフに消音のためのヘッドホンを装着+その上からキャッチャーの顔を保護するみたいな覆いをガッチリされた上で「注射の事は知ってますね?」と言われて、全然聞いてないのでパニック。「とりあえず注射なしでやりましょう」と言われて、止まることなく続行。

それからの、身動き取れないMRTでのいつ終わるともわからない時間は、恐怖以外の何物でもありませんでした。

狭いところで終わりの見えない恐怖、MRTの中で耳たぶに金属をつけたまま検査される恐怖、何の注射?と思う恐怖。何度緊急ボタン押そうと思ったことか!

それが終わった後には当然精神的がやられていて、スタッフの女性と話す声がいつもの自分の声と違うのはよくわかりました。

「注射のことは誰からも聞いてない」と言うと、「同意書に書いてあります」との返事。いくつか質問した後に「落ち着くために1分時間をください、その後なら注射も残りの3分も続けていただいて結構です」と言うと、怒った様子は無いけど「今日は予約でいっぱいで、この後も待ってる人がたくさんいるんです」との返事。

なので、大きく息を吸って吐いてから、続けてもらいました。ほんとに精神的に崩壊しそうで、こんな体験は人生で初めてでした。伊坂幸太郎の小説で、登場人物が精神的に追い詰められる場面と重なりましたよ。

最初の15分(こんなに長くかかることですら、事前に教えてもらえなかった)の間に頭をよぎった最悪の事態の間にオットのことを何度も考えて、普段私はいかにオットを頼りにしてるかがわかって驚きだったのもあり、医院を出た後にすぐに仕事中のオットに電話して話を聞いてもらいました。

医院を出たあとにそのまま仕事へ行こうと思っていたのですが、すぐに運転するのは危ない精神状態だなと思って、まずは近くのパン屋まで歩いて塩辛いものと甘いものを買ってから車で家へ帰って、それらを食べながらコーヒーを飲んで自分を落ち着かせてから、会社へ向かいました。


会社の人たちに話したら、その医院は検索エンジンGの評価通りに対応の悪いことで有名で、どうも予約の詰め込みすぎで患者が家畜のように流れ作業で扱われることがその原因のようでした。まさにそれ!


検査の流れを事前に知っていたらここまで恐怖感を持つことはなかった、と断言できる。オットにも同僚にも友達にも聞いてもらったけど、このショックが治るまでには時間がかかりそうです。


このことで逆に、普段いかに家庭医のスタッフさんなどにきちんと対応してもらっているかがわかりました。ある意味では、貴重な体験でした。



少しでもショックを和らげるための、フォトギャラリー↓👏

イースターの日曜日の朝に庭で、名物のウサギチョコを探す子供達。気温は3℃、寒い!


ジェノバ水族館のイルカたち。

普通の景色って、なんてすばらしい(´∀`*)




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